ユダヤ様に敗れたヒーロー「ファンタスティックフォー」 『THE FANTASTIC FOUR』(1994、米)  「映画製作で1セントも損をしたことが無い」(←実はウソ)と豪語する映画製作者ロジャー・コーマンが、1994年に米マーベル・コミックスの代表的な超人ヒーローチームの一つ『ファンタスティック・フォー』を映画化しました。しかしお蔵入りし、劇場公開されませんでした。今現在は知りませんが、以前Youtubeにもありました。ずーっと以前にもビデオレンタルで見た記憶があったり??  お蔵入りした理由は、当初“出来が余りにも悪かったから”と伝えられましたが、本当の理由は登場する“悪のボス”に関する事だそうです。  それぞれが自分のシンジケートを持つ“悪のボス”二人の内、一人は「Dr.DOOM(ドクター・ドゥーム、死の運命博士)」という鉄仮面を被った学者で、ファンタスティックフォー・シリーズ通しての最大の強敵です。こちらはコミックスらしい悪役で問題ありません。  問題になったもう一人のボスが「JEWELER(ジュエラー、宝石男)」という名の宝石専門の泥棒で、このキャラに“ユダヤ様からクレームがついた”らしいのです。(注1)  小柄で、ワシ鼻で、シルクハットに19世紀のようなスーツと黒いコートを着て、いつも宝石用の拡大鏡を顔に着けている初老の男。これは昔の“ユダヤの宝石商”のイメージそのものだからです。ただし作品中ユダヤとは、ひとことも言っていません。ロジャー・コーマンもユダヤ系、主な出演者もユダヤ系、スタッフもユダヤ系が多いので、製作者によるユダヤ差別では無いことは確かです。  アメリカのB級映画では、忍者や侍や空手の東洋人な悪者、スペインの海賊風の悪者、ロシア系はいつも軍が絡んで陰謀を企んでいて、イタリア系なんか常にマフィアだったり下品なキャラに描きますが、それらにユダヤ様はクレームしません。なので“ある民族を連想させる悪者”全般がイケナイというのではなく“ユダヤ人を連想させる悪者”だけはイケナイということでしょう。(注2)  完成して公開間近のレーティング指定もされない映画に圧力をかけて止めさせる。ユダヤ様の組織はアメリカで一番怖いシンジケートかもしれません。  さて、映画それ自体の出来はどうなのか?というと、劇場映画なのに“ビデオ合成”なんか使ってて、いかにもB級です。“感動の名作映画”を期待しないで、テレビアニメを見るか、漫画を読む感覚なら、それなりに楽しめるという程度の・・・。どっちにしろ、最初からコミックスの読者がメインターゲットな“お子様も視野に入れた映画”です。  個人的には、ちゃんと昔のコミックス通りの全身タイツみたいな“ヘンタイ衣装”を着て、ヒューマントーチが「フレームオン!(点火!)」と言ったり、シングが「クラッブイングタイム(“お仕置きの時間”というか、ぶん殴りゲーム開始)」と言うのが面白いです。ただし、リーダーのリチャード博士がコミックスの設定である“190センチのスマートなナイスミドル”じゃないところは不満です。過去にファンタスティックフォーが実写化されたどの映画でも、博士が若いし小柄なんだよね。いやだから変な趣味じゃないですよ、大昔のアニメを先に見てて、そのイメージがあるから(注3)。  作るんなら昔の映画『スーパーマン』のクリストファー・リーブとか、『超人ハルク』のルー・フェリグノみたいに“ピッタシな俳優”を探さなきゃ 注1.宝石=JEWELは“ユダヤ物”という意味だそうです。本来、宝石は贅沢品か    まがい物か、魔力を持った物。で、それを一手に扱っていたのがユダヤ系です。    元々そんなに良い意味ではなかったけれども、マスメディアはユダヤ様が握って    いるので・・・。「世に出回っている宝石の大半は値段の半分の値打ちも無い」    とは、他ならぬユダヤ系自身の言葉です 注2.「ユダヤ系は米国のマイノリティだからだ」ですか? 日本を含むアジアンの方    が、米国じゃずっとマイノリティだけど、悪役イメージOKとされてますネ。    米国の人口の3%程度のユダヤ系が、全米の資産の30%以上を所有している。    単純に平均したら、米国の“他者の14倍もユダヤ系がリッチ”なワケです。    それってマイノリティでもなんでもないと思いませんか? 他より14倍リッチ    な連中にマイノリティだから云々主張を通させると“特権階級”そのものです。    マイノリティを称する人々に、特別な保護や優遇を受けさせる場合は、十二分に    調査し本当に必要なのか判断しないと“特権階級”に早変わりしてしまいます 注3.メンバー構成    特徴         邦題『宇宙忍者ゴームズ』 『ファンタスティックフォー』 通称    体を伸ばせるリーダー ゴームズ博士       リード・リチャード      ミスター・ファンタスティック    透明化+バリア奥さん スージー         スーザン・リチャード     インビジブル・ガール    怪力岩石男      ガンロック        ベン・グリム         シング    燃えて空飛ぶ     ファイヤーボーイ     ジョニー・ストーム      ヒューマン・トーチ